どこでも、だれに対してもHi!
どこでも、だれに対してもHi!
イギリス生まれのジャーナリスト、ヘンリー・フェアリーはその著書『私はなぜアメリカが好きなのか』で、ある思い出を次のように書いています。
「春のある日、アメリカを初めて訪れた時のことです。
私はある郊外の道を歩いていました。
道幅は広く、どこまでも続き、その両側は前庭いっぱいのなめらかな芝生、空まで高く伸びている樹々、色あざやかなツツジの群落。
まわりに目につく人といえば、道端で三輪車に乗っている少年だけでした。
私が通り過ぎようとするとHi1(こんにちは)とその少年があいさつするではありませんか。
初めて会う子があいさつしてくれる!これは私にとって今までにない経験でした。
カルチャーショックを受けた私は、子供の亜麻色の髪を無言で冷ややかに見下ろそうとしたのですが、なんと私の口から無意識に飛び出した言葉は、Well,hi1(やあ、こんにちは)でした。
明らかに満足した少年は、そのままペダルをこいで行ってしまいました。
これが私のAmericanization(アメリカ化)の第一歩だったのです」
「Hi1という表現方法はなんと民主的なんだろう」とフェアリーは感嘆します。
イギリスではHallo1Hello1Hullo1といろんな発音の言い方があり、それを聞いただけでその人がどういう階層の生まれか、立ちどころにわかってしまうといわれています。
ところがアメリカでは、どこへ行っても、だれに会ってもHi1なのです。
お店、教室、バスの中、オフィスで人々が出会います。
すると知らない人同士でもHi1とあいさつするのが、アメリカ人です。
多くの外国人がそうであるように、フェアリーも打ち解けてあいさつするアメリカ人にショックを受けてしまったのです。
すぐに親しみをこめてファーストネーム(名前)を呼び、まるで昔からの知己のようにふるまうアメリカ人。
フェアリーはワシントンのサフラガン主教、ジョンソン大統領に会った時のことを、今でも忘れられません。
なぜならふたりとも最初のあいさつがHi,Henry!(やあ、ヘンリー)だったのです。
これだけくだけてあいさつする国も珍しいといえましょう。